2009年3月27日金曜日

一般質問

議席4番の渡辺裕です。




2007年春に議員にならせて頂いてからほぼ2年が経ちました。



今思うと2007年の前半まではこれまでの戦後最長の好景気である「いざなぎ景気」を超える景気拡大期と言われておりました。



しかし、同年夏にはアメリカでサブプライム問題が顕在化し、2008年9月のリーマンショック以降の景気の冷え込みは100年に一度のものだとさえ言われております。



私も当初は不景気と言ってもさすがに100年に一度ということもないであろうと思っておりました。というのも私が大学3回生からの就職活動の時期である1997年当時も山一證券や北海道拓殖銀行などが破綻し、非常に厳しい経済情勢であり就職難の時代でした。



また、社会人になってからも、りそな銀行が実質国有化された2003年もかなりの不景気であったので今回の不景気も5年から10年のサイクルで起こりうる不景気だと思っておりました。



しかし、2008年秋以降は、製造業を中心に景気の悪化が鮮明となり、中小企業においても資金繰りが厳しくなり、大手にしてもかなりのダメージを受けていると実感するようになりました。



私の知っている人でも派遣契約が解除されたり、雇用調整で残業がなくなったり、出社日数が週に1日、2日削られるというのも実際に存在するようになっております。



また、朝にたくさんの市民からも同様の声を聞きます。



特に年配の方のお話では、これまでの不景気とは比べ物にならないほどの冷え込みだとたくさんの方がおっしゃっておりました。



そして、議会においてもこの不景気に関連して様々な意見が飛び交っております。



そのなかで気になったのがこれまでの構造改革が明らかに失敗であったという意見です。



改革をひとくくりにしてこの不景気の原因をこれまでの改革に押し付けてしまうのはそれこそが誤りであると思います。



高度経済成長期には機能していた日本型システムも、モノの飽和、人口減、高齢化、など過去には想定していなかった時代に入ったのだからそれに合わせて構造改革を進めるのは極めて当然であると思うからです。



郵政民営化にしてもこれまで国の信用力を背景に集めたお金を財政投融資という何となくブラックボックスのようなものを通じて一度うやむやになってしまったお金を無駄な公共工事につぎ込んで知らず知らずのうちに国民の負担になっていました。



これを民営化という切り口でお金の流れを明確にして、国民が分からないうちに生じる無駄をなくそうというもので、時代に合わせたものにしようとしたものだと私は認識しています。



定額給付金に関しては、もらう側からすると、資産が増えて、将来的にはその負担を負うことになるので、資産と負債のバランスがとれているという意味ではそこまで非難される政策でもないような気もします。



しかし、それよりも問題なのは埋蔵金を使うので国民の負担はないという考え方だと思います。



第一に、埋蔵金を使うとその分の資産が減るので負債はその分増えます。

要するに、赤字国債を発行するのと実質的には同じです。



第二に、もし埋蔵金を今まで隠していたお金と考えるのならそれこそ不透明なお金であり、国債の返済にあてるべきものだったと言えます。



こうした、政府のお金に対するうやむやな捉え方こそが大きな問題であり、結局は国民の負担を知らず知らずのうちに大きくしているものだと思うからです。



確かに、これまで我々が頼ってきた経済の常識は大きく揺らいでいます。



しかし、市においても市民から預ったお金を時代に合わせて効果的に使用していくことは当然であり、それに合わせて改革を進めていく必要があります。



この不景気はそういうことをあらためて真剣に考え直すいい機会でもあると思っております。



こういう点も念頭におきながら、これまでおよそ2年間してきた質問をあらためて問い直していきたいと思います。





1点目のみ今回の景気に関する質問を新たにさせて頂き、2点目以降はこれまでの質問の再確認をさせて頂きたいと思います。



1、 緊急保証制度について

・ 申請に対しての認定基準は

・ 申請件数と認定件数の推移は

・ 金利と保証料は何%か



2、 学校給食センターの民営化について

・ これまでのコストと民営化後のコストは

・ 引継ぎ期間が長い理由は

・ 引継ぎ期間に各職員がする仕事の内容は

・ 委託に際しての安全面についてどのような契約内容になっているか

・ 3期休業期間中の業務についてどのような契約内容になっているか



3、 職員採用試験について

・ 平成21年度の具体的日程は(告知方法、告知時期、試験日等)

・ これまで10年間の倍率の推移と平成20年1月19日の追加試験の倍率は



4、 再任用制度について

・ 再任用の基準、期間、条件は

・ 計画的な再任用プランは



5、 土砂採取場跡地について

・地権者は判明したか



6、 イオンモール誘致に関する情報公開について

・平成20年9月以降の新たな動きは





自席より再質問させて頂きます。



1、 緊急保証制度について



ちなみに高槻市は、

融資限度額 600万円

融資期間 4年以内

貸付利率 1.2%

信用保証料 0.8%

というものがあります。



このように市独自の融資という意見もありますが、こういった経済対策はあくまでも国が行うべき政策であると思います。



ただ、融資の認定については、市の仕事でありますので、現在の景気動向を考えてみても資金繰りが苦しい企業には速やかに認定を出すということには全く同意です。



また、申請件数と認定件数は同じとのことでした。



しかし、認定を市が出す際にこの制度にはもう一歩踏み込んで考えておく必要もあります。



☆そこでお尋ねしますが、そもそも利息に加算される、保証料というのはどういう性質のものなのでしょうか。







大阪府信用保証協会の資料によりますと、



「信用保証協会の保証により金融機関から融資を受けられた時に保証委託に応ずることの対価として信用保証料をお支払いいただきます。



信用保証料は、お客様のご利用する保証制度、融資金額、期間、返済方法、信用保証料支払方法に応じ計算されます。



信用保証料は、信用保証協会が中小企業信用保険への再保険に際し支払う信用保険料・代位弁済に伴う損失の補てん・経費等、信用保証制度を運営する上で必要な費用に充当します」



と難しい説明になっております。



新聞記事の方が簡潔に述べているのでそれをそのまま引用すると、



「信用保証協会が返済を全額保証し、金融機関に代わって貸し倒れリスクを引き受ける仕組み」



となっております。



これを読むと、実際保証料を払っていれば最悪のときは肩代わりしてくれるという認識の方は結構多いと思います。



しかし実際は、返済できなくなくなったら保証会社が支払ってくれるといっても、借入がゼロになるというわけではありません。返済が不能になった時、保証会社は金融機関に残り借入分を支払います。



簡単にいってしまうと、金融機関から借りた分は保証会社が支払った形になりますが、今後は、保証会社に対して肩代わり分の借金ができるという感じです。



回収も保証会社が担当し、保証会社から返済を求められるようになります。



保証制度は、あくまでも貸す側の金融機関が損をしないためのシステムであって、返済しなくても済むという制度ではありません。



要は、保証会社が借主の保証人代わりになるが、タダでなってあげるわけにはいかないので保証料を払ってくださいという趣旨のものです。



このように考えると、借主が負担している保証料は、いったい何のために払っているのか全く分からなくなってしまいます。



保証料によってメリットを最も享受できるのは、借主のほうではなく銀行です。



新聞記事にも「金融機関はリスクをとらずに貸し出しを伸ばせるので積極的に取り組んでおり、すでに実績は7兆円を上回った」とある通り、



銀行は保証会社がつくことにより、信用度の低い相手に安心して融資することができるし、金利もしっかり取れるし、万一事故が起きても保証会社が全額負担してくれるのでリスクもありません。しかも、その保証料は、借主が負担してくれます。



つまり、保証協会の保証がついたからといって、払えなくなったときに何とかしてもらえるものでなく、払い先が代わるだけです。



しかも、この制度で借りるときには貸付金利が1.4%でしたが、保証協会に代位弁済してもらってあらためて保証協会に返済をするときの金利はなんと14%にもなります。



1.4%が14%になるのだから実に10倍です。



例えば、無担保で借りれる上限の80,000,000円を借りていて、そのうち30,000,000円を返済して、残り50,000,000円の段階で払えなくなったときには元金50,000,000円に仮に残りの金利3,000,000円を加えた53,000,000円

が新元金です。



53,000,000円×14%=7,420,000円もの金利がつくことになります。



金利だけで年7,420,000円も払うことは極めて困難です。



実際払えなくなった企業も知っていますし、保証協会に対する返済のために立ち直れなくなった企業も数多くあります。



持家を処分ししたり、自己破産しているケースもあります。



☆だから、市としては、最悪のケースも想定して保証料の性質だけでも申請者に一言伝えるべきだと思いますがどうですか?







今回の緊急支援で数千万借りた企業が半年もしないうちに借りたお金の残額が半分くらいなくなってしまったという話も聞きました。



だから比較的低い金利でしかも固定だから、借りれるだけ借りておこうという考えにならないよう一言伝えることが本当の意味で市民サービスだと思います。











2、 学校給食センターの民営化について



学校給食センターの民営化については、私が最初の一般質問をした思い入れのある分野です。



答弁して頂きましたように、引継ぎ期間が思ったほどは長くなく、安全面についても万全をきすとのことであるし、何より年間コストが2,600万円軽減出来たことには、非常に満足しております。





2007年6月の一般質問のエッセンスは、3期休業があるのに固定で人件費を抱えておくことは非効率的で民営化によって変動費に変えることで休業期間にも生徒数が減ったときにでも柔軟に対応できるようにというものでした。



そういう意味では今回の決定は人件費を変動費に変えることが出来たという意味で夏休みの人件費を削減することが出来たし、将来生徒数が減った場合にも柔軟に対応出来るものだと思います。





民営化の効果は2,600万円とのことですが、経年での変化が分かりにくいので頂いた資料を見ていきますと、



平成14年~16年にかけては、約1億4千万円~1億5千万円

平成17年、1億円800万円

平成18年、1億2,100万円

平成19年、1億1,100万円

平成20年、9千600万円

平成21年、9千900万円



と大方毎年経費を削減出来ておりますが、平成22年はどれくらいの見込みになるでしょうか。







学校給食センターについては、私が最初に一般質問で提案したことが実現したことと、学校教育課の方々が、



「今回が西端部長にとって最後の議会なので花道を、花道を、、、」



と言うのでこのへんにして、次の質問に移りたいと思います。











3、 職員採用試験について



スケジュールに関しては、大方以前の質問で聞いた通りでした。



そのときに受験生が試験のあるなしだけでも前もって知らせておくことは有意義なので早い時期にそれをHPなどで公表したらどうかと提案しました。



また、実際に早い時期に試験のあるなしを問い合わせる電話もあるとのことです。



☆そこで、せめて試験のあるなしは早い段階で公表したらどうなのかという点と何月頃から可能なのかをお尋ねします。



是非、お願いします。



次に、試験の倍率について、通常の試験では13倍~26倍ですので一定の範囲内で推移しているものと感じました。



直近の平成20年9月の試験も17倍なのでこの範囲内におさまっています。



ただ、平成20年9月のリーマンショック以降、景気が冷え込み、それと反比例して公務員試験の人気が過熱しております。



実際、一部前倒しでした、吹田市の事務職員採用試験では募集人員5人に対して2,362人が受験し、倍率472倍にもなります。



時期をずらした、20年1月19日の試験でも32倍という高倍率でした。



☆時期をづらすこととこの景気を逆に利用することでこれだけ人を集めれて選べるのであれば一考の価値があると思いますがどうでしょうか。







前倒しの試験というのは、合格を出したとしても、実際に採用に至る確率まで考えると難しいというのは同感いたしました。



後ろ倒しの試験であればそういう可能性も減るので前年同様場合によっては実施を考えるとのことなので是非毎年そういうことを考慮に入れながら通常の試験を実施して頂きたいと思います。



経済情勢に敏感であれば、今年1月とか2月に事務職員の追加採用試験を実施するという選択肢もあったとおもいます。



ただ、気をつけたいのは後ろ倒しに試験をした場合の弊害は、前回も述べた通り、第一志望として四條畷の市役所で働きたいという受験生が激減することだと思います。



そこで参考にしてみてはどうかなと思うのが、あるラグビーの強豪チームだと思います。



そこのチームは他のチームから声がかからなかったり、落とされたりした選手を集めて強いチームを作ります。



これは、そのような選手の反骨精神と強化のシステムがしっかりリンクして機能しているからだと思います。



市政運営方針でも、「人材育成基本方針に掲げる職員像を目指すため、、、、職員の公務能力の向上及び常に挑戦する組織風土の構築を図る」



と述べております。



だから、今後も後ろ倒しの試験を想定するのであれば、ただ倍率が高くなるからいいだろうというだけでなく、その後の強化のシステムまで想定しながら採用試験をして頂きたいと思います。











4、 再任用制度について

・ 再任用の基準、期間、条件は

・ 計画的な再任用プランは



☆勤続25年以上ということでしたが、それに達していれば自動的に再任用になるのか、それとも市が働いてほしいという人材を選んで再任用するのかどちらでしょうか。







委員会でよく働いた人も、あまり働かなかった人も退職金に差がないというのはおかしいと述べましたが再任用に関しても全く同じだと思います。



そもそも市の財政状況を考えるとあまり働かない人まで再任用するほど余裕はないと思うからです。



逆に、これまでもよく働いて頂いた方を再任用するのであれば経験も信用度もありますので実に有意義な制度だと思います。





再任用の方に私が是非して頂きたいことは、これまでと全く畑違いの分野では再任用の効果的な意味がなくなるので、これまでの経験を活かした仕事をして頂きたいということと、四條畷の財政を考えるとお金をかけた政策というのはなかなか出来ない。だから再任用の方が中心となって住民の助け合いのきっかけ作りをして頂きたいということです。



たとえば、ファミリーサポートセンターなどをもっと上手く活用すれば、保育所問題の是正につながるかもしれないし、他にも経験と知識と人間関係があるからこそ出来ることは多々あると思います。





より大きな視点からは、再任用制度を重視する理由は、今の日本の社会保障制度を考えたとき、年金も健康保険も現状では維持出来ません。



しかし、一生働くとは言わないまでも60歳で引退するのでなく、75歳くらいまで働いてもらったり、女性が働きやすい社会を作れば社会保障の問題まで解消出来ると思っております。



ある意味では市長のように70歳を超えても現役で働くというのは、超高齢化社会を乗り越えるための一つのモデルだと思います。



再任用のプランについては、国に準拠するだけでなく、もっと上手くいい人材に働いてもらえるような市独自の制度設計をお願いしたいと思います。



人事に関して、質問ではありませんが、もう一点付け加えておくと、











5、 土砂採取場跡地について



・地権者は判明したか



6月議会で一般質問したときに地権者の問題が最大の問題であると答弁頂きました。



地権者の状況、具体的名前を出すとまずいですが、17人で実質的には13人だと園田部長がみつけてくれました。



地権者の了解がとれるかどかが問題で躊躇されておりましたが。



☆13人くらいやったら、一人ひとり交渉すれば、緑化することの合意くらいだったらすぐ取れるのではないかと思いますが、園田部長どうですか?







理想では、壁画だったり、ソーラーパネルを並べたりして四條畷版グリーンニューディール政策をしたいのですが、地権者が複数いてあまり手を加え過ぎるのもまずいようなので、まずは前もお話したように助成金を利用しながら、お金をかけず緑化していきたいと思っております。



☆そこで、1年では少し短いかもしれませんが2年あれば緑化は可能と思いますので園田部長には最後の2年を使って是非協力して頂きたいと思いますがどうですか。



今回は園田部長が協力を快諾して頂いたことと、13人という具体的な人数を聞いて俄然やる気が出て来ましたので今後もこの問題に取り組んでいきたいと思います。











6、 イオンモール誘致に関する情報公開について



・平成20年9月以降の新たな動きは



9月議会での一般質問をしたちょうどその頃にリーマンショックが起こり、これまで進展しつつあったイオンモールの進出も暗雲が漂ってきております。



新聞報道でも、延期、縮小のような後ろ向きな言葉ばかり目に入ってしまいます。



民間企業である以上景気の影響を受けるのは当然でありますが、このような状況のもとどのように進展しているのかと市民も気になっていると思います。



そこであらためてイオンモールに話を聞きに行ってまいりました。



答えて頂ける範囲内ではありますが、今回お話して頂いた方はイオンモールの常務取締役でしたので前回同様信用度は高いと思います。





前回鉄の価格の高騰が大きな問題であると述べましたが、

平成20年9月では112.5ポイントだった棒鋼の価格も平成21年2月では75.0ポイントまで下落しており、2/3の価格になっております。



これについては、確かにプラス要因だとおっしゃっておりました。



しかし、新聞にもあるように、景気の影響でテナントの状況が以前と比べ大きく変わってきたということです。



つまり、建設したもののテナントがガラガラではさすがに採算が合わないとのことです。



だから、今後景気がどうなっていくのかという点はやはり非常に重要です。



また、土地の買収が順調に進むことも大事だとおっしゃっておりました。



これに関しては、ニコニコパチンコの持つ土地の1/5は契約が成立し、所有権も移転しているとのことです。



残りの部分に関しても順次契約を進めていくということでした。



実際に契約して、所有権が移転としているということからしても、当然ですが、進出に向かって一歩も二歩も進んでいることは確かです。



また、民間企業である以上、買収した土地をそのまま塩漬けにしておくということも考えれないと思います。



また、この景気の影響もあり、建設規模は以前よりは小さくなる可能性はあるとのことです。



ただ、半分とか2/3とかまでは小さくならないであろうともおっしゃっていました。



縮小しすぎると、魅力がなくなるし、消費者が希望するテナントには極力入ってもらいたい

とのことです。



最後に、常務自ら立地条件の良さを強調しており、進出意欲に変化はないとおっしゃっておりました。



以上が、先週18日にイオンモールに直接伺って聞いてきた内容です。



市民としても非常に関心の高い問題ですので今後とも積極的に情報を公開して頂きたいと思います。