2009年12月18日金曜日

一般質問

今回は外国語教育について質問させて頂きます。




近年の国際化社会の到来とともに外国語教育の重要性は昔と比べますます重要となっております。



なぜ外国語教育が重要なのか考えてみると、資本主義の制度そのものに起因しているのではないかと思います。



資本主義の成長は人口の増加に比例すると言われております。



しかし、日本では2005年に人口減社会がついに到来しました。



2009年に1億2,700万人いる人口は、私が70歳になる2045年頃には1億人を割ると推測されています。



人口が増えることを前提に作られた今の賦課方式といわれる年金制度も人口減社会では成り立たなくなります。



一方、世界全体の人口は、2009年の68億人から2045年には90億人とまだまだ増加していくと予想されております。



資本主義の成長において人口増が絶対条件であれば、我々日本人は世界に目を向けて行動しなければならないと思います。



そこで、今回は今の小学生、中学生にもっと語学力をつけて世界を相手に頑張ってもらいたいという願いを込めて、外国語教育について質問していきます。







○市では外国語教育についてどのように考えているか

国際化社会においてこれからの時代を生きていくためには外国語を頭の柔らかいうちに勉強を始め、外国人と対等に会話出来る能力を身につけておくことが重要と思うが、市では外国語教育についてどのように考えていますか。



○市には何人ALTがいるか

外国語をマスターするためにはネイティブと接する回数を増やす必要があります。そこで四條畷市の中学にはネイティブ外国語教師であるALTは何人いますか。



○北河内の他市では何校に何人ALTがいるか

北河内の他市には何校に何人ALTがいますか。



○小学校ではどのような外国語教育をしているか

外国語をマスターするためには少しでも早く外国語の勉強を始める必要があると思うが、小学校ではどのような外国語教育をしていますか。







<再質問>



自席より再質問致します。



まず、1点目と4点目について。



○市では外国語教育についてどのように考えているか

○小学校ではどのような外国語教育をしているか



答弁では、外国語教育は異文化の理解とコミュニケーション能力の向上に主眼が置かれているということだったと思います。



また、総合計画では、



「一人ひとりの子どもが尊ばれ、社会性、国際性を育み、自立を促すとともに、自らを表現し高める力をつけることにより、夢の実現が可能なまちをめざす」



とあります。



我々の時代の外国語教育は、読み・書きが中心だったし、日常から外国人と接することはほとんど皆無でした。



しかし、時代の変化とともにセンター試験でもリスニングが導入されたり、ネイティブの先生が小学校や中学校にも来て外国語を話す機会も増えているようで非常に羨ましく思います。



ちなみに読み、書きに関しては自動翻訳ソフトの精度の向上とともに依然と比べると重要度は落ちている可能性があります。



社会の変化とともに昔と比べると答弁や総合計画にあるように、異文化の理解やコミュニケーションの能力の向上が図られ自らを表現する力については一定向上しているのかなと思います。



☆そこで、小学校では本年9月より1名のALTを各小学校に巡回する形で派遣しているとのことでしたが、具体的に小学校の各クラスでは年間どれくらい外国語の授業があるのかをお尋ねします。







平成20年度で小学5年生が年7時間、小学6年生が年9時間とのことでした。



他市はどうなっているのかと思い今月16日に隣の寝屋川市教育委員会にヒアリングに行ってました。



寝屋川市は、平成17年度に内閣府「寝屋川市小中学校英語教育特区」の許可を受け、平成20年度からは文部科学省の指定に「寝屋川市小中学校英語教育特別推進地域」として英語教育に力を入れているとのことでした。



まず授業時間から行きますと、小学校5、6年で年35時間とのことでした。



四條畷が小学5年生が年7時間、小学6年生が年9時間なのに対して寝屋川が年35時間ということなので、実に4倍から5倍くらい英語の授業があるということになります。



☆次に、四條畷では小学校1年生から4年生の年間の授業日数は何時間でしょうか。







小学校5年生で年7時間でそれより短いということなんで年間2、3時間くらいかなと思います。



寝屋川では小学校1、2年生が年間10時間、小学校3、4年生が年間20時間です。



これだけ差があると、将来的には大きな差がついてしまうのではないかと不安になります。



ただ、小学校に関しては平成23年度から新学習指導要領で「外国語活動」が必須となり年35時間となるとのことなので、時間としては差がなくなると思いますがネイティブと接する機会となると何らかの対策をしておかないとやはり大きな差がつく可能性があります。



確かに寝屋川市は四條畷に比べると人口も多く財政規模も大きいですが、高槻市の隣にある島本町でも幼稚園で週1回、小学校で週1から3回もネイティブの授業があります。



☆そこで、もっと外国人と接する機会を増やすためにも、もっと留学生を受け入れる市にして、その留学生と接することで異文化を知り、コミュニケーション能力の向上を図るべきだと思いますがどうですか。







今年の夏の岡山の盆踊りで中国からの留学生が何人かで教わりながら盆踊りをしておりましたが、もっと小学生や中学生と接する機会を作って一緒に楽しめるようにしたらいいのになぁと思いました。



☆留学生の受け入れは自治振興が担当ということですが、教育委員会も一緒になって何かいいプランを立ててみてはどうかと思いますが、教育長どうですか。







せっかく外国人が四條畷に来てくれているのだから、留学生にはもっと四條畷での生活を楽しんでもらい、小中学生は留学生からもっと色々なことを学べる環境を作ってあげればお互いにとってプラスだと思います。



☆また、田原中学でウェールズのどこかの中学と提携して留学生の交換を行っていたと聞きましたが、これの内容を教えて頂けないでしょうか。







個人的なつながりではどうしても単発になってしまうので市で海外都市と提携するのが大事かなと思います。



先程同僚議員が質問しておりましたが、国際友好都市というのは今後大事になってくると思います。



中国、韓国をはじめとするアジアは今後経済成長が最も見込まれる地域と言われているので是非うまく進めて頂きたいと思います。



ただ、語学という意味ではやはり英語が最も重要ではないかと思います。



イギリスやアメリカだけでなく、中国でも韓国でも他の国々でも英語の学習は進んでいて共通言語になっているので、どこの国の人と話すときでも英語が出来ればコミュニケーションはとれます。



例えば、ワードやエクセルが使われている理由はそれの性能というよりむしろ使っている人が多いからだと思います。なんでも標準化してしまった方が便利になってしまいます。



☆そこで、アメリカでなくても、英語圏のどこかの都市との提携も進めて頂きたいと思いますがこれに関してはどうでしょうか。







英語が話せるようになるとこれまで日本の1億2,700万人としか話せなかったのが、いっきに世界68億人のマーケットに広がることになるので英語を勉強することで可能性も大きく広がるものと思います。



また、先程「英語ノート」の話が出ましたが、これは事業仕分けで削減の対象となっております。



新聞の記事を紹介すると、



「小学校英語が正式導入されるのを前に文部科学省が無償配布している補助教材英語ノートの予算が政府の事業仕分けで廃止になり、全国の現場教師らから困惑の声が多数寄せられている」



とあります。



これが「英語ノート」です。中もカラーになっていて非常に見やすいものとなってます。



☆この英語ノートが廃止されると市でも困ると思いますが、この点について教育長の考えをお聞かせ下さい。







コピーして使うということですが、英語を初めて勉強する小学生にとってはやはりカラーでないとなかなか興味を持たないのではないかと思うし、せっかく出来のいいものなので何とか廃止にならないよう市としても頑張って頂きたいと思います。







次に、2点目と3点目のALTの問題について。



○市には何人ALTがいるか

○北河内の他市では何校に何人ALTがいるか



小学校と同様ですが、ALTの人数には大きな問題があると思います。



まず、お答え頂いたように四條畷市におけるALTは現状4中学で1人となので率でいうと25%です。



一方、寝屋川、大東、交野は各中学にいるので100%、枚方は19中学で15人なので78%、門真で7中学で5人なので71%、守口で9中学で5人なので55%です。



100%の寝屋川、大東、交野の中学生と比較すると、四條畷の中学生はネイティブと接する機会は単純に考えて1/4ということになります。



四條畷を除いて一番少ない守口と比べても半分以下ということになります。



私の友人で英語をネイティブのように流暢に話せる人の大部分は中学や高校など早い時期に英語の必要性を感じて、その後留学するなどして英語をマスターする割合が非常に高いようなのでその差は非常に大きなものとなってしまうはずです。



☆そこで、各クラスでは1年間に何回ALTの授業がありますか。







畷中で14回、西中で10回、田原中で11回ということでした。



年間で35週間あるということなので四條畷ではざっくり言って3週間に一度ALTの授業があるような感じだと思います。



各中学に一人のALTがいるところでは、年35回で、1週間に一度ということなので授業数でもやはり3倍の差が生じていることになります。



英語の勉強には継続が必要だから今回話せなかったから次までに勉強しようとか、次にはこんな会話をしてみたいとかということが大事だと思いますので3週間も空いてしまうとそのようなインセンティブ自体機能しない可能性があります。



また、先程四條畷は3週間に一度といいましたが、実態はそうなっていないようです。



例えば、1学期が畷中、2学期が西中、3学期が田原中というふうに学期毎に中学をまわっているとのことです。学期毎にまわるとなると、四條畷には4中学あるのに学期は1学期、2学期、3学期と3つしかないので、ひとつの中学は1年間まるまるALTの授業はないことになります。



継続性という意味においても、学期が終わったら次はいつになるのかというのも忘れてしまうくらい先になってしまいます。



他市では各クラス毎週1回はALTがあってそれぞれの中学生が来週はこんな話をしてみたいと思って勉強しているのに、四條畷の4中学のうち1中学では1年間全くALTの授業がないのでそのようなモチベーションは起きる可能性が少ないと思いますし、1年間でその差は図り知れないものになっていると思います。



最近大学生でも昔では考えられないくらい留学に行く学生が多くて、普通に英語をマスターしています。



これは、ある意味学力がどうこうという問題以前に海外に接する機会があったかどうかだけの問題であることを証明しているものだと思います。



逆に考えれば、生の英語と接する回数の多さが語学力の向上につながっていることを証明しているものと思います。



本当であれば全ての中学生に海外留学させてあげれば英語の学力は間違いなく向上するのだと思いますが、そうも行かないのでせめてALTの講義を増やすべきだというのが私の考えです。



それと、もう一つは先程述べた留学生をもっと受け入れる素地を作ってALT同様、英語や他の外国語の必要性を感じる機会を増やすべきだと思います。



ALTの増員に関してはこれまで財政上の問題が最大の課題だったと思います。



参考までに、2008年11月12日の決算特別委員会の私の質問と答弁を紹介します。



◆渡辺委員 中学校がメインで、小学校も含めて1人という人数自体は北河内の他市に比べると多いんでしょうか少ないんでしょうか。



◎羽森学校教育課長 これは少ない人数であるというふうに聞いております。毎年このALTは予算の方で学校教育としても要求をさせていただいているんですが、なかなか1人当たり年間確保するために約500万円のお金が必要でございます。



ここからも財政の問題でALTを増員するのは難しいということが読み取れます。



私自身もその時は財政上の問題ならやむを得ないのかなと思って引き下がってしまいました。



それから1年経ちましたが、この一般質問の関係で今月7日に聞きに行ったところ加藤理事も、



「交付税はつくけどグロスで付くから実質的には全額市負担」



という返事でした。



つまり、現状の1人から2人にすれば、市の負担は500万円くらい増えるという答えでした。



しかし、他市でも財政が厳しいなかほぼ全中学にALTがいることを不思議に思って



「念のため、詳しく調べて書類として頂けないか」



とお願いしたところ翌日に紙で次のような答えを頂きました。



ALTが1人の場合事業費435万円、交付税474万円、市負担額△39万円



つまり、ALTに関しては事業費より交付税が多いので市の負担どころか、市の余裕すら生まれてくるシステムのようです。



同様に、2人場合は事業費871万円、交付税938万円、市負担額△66万円。



各中学に1人の4人の場合は、事業費1,743万円、交付税1,887万円、市負担額△144万円。



つまり、各中学に1人ALTを配置したとしても市の負担は全くないことになります。



☆加藤理事に一応確認で聞きますが、この認識でよろしいでしょうか。







ちなみにこの件は財政部長の加藤理事だけでなく、教育委員会も知らなかったようです。



市長や副市長も1人雇うには市の負担が400万円から500万円増えるのではないかという認識でした。



ところが実際は全額国の負担で市の財政的負担はありません。



☆加藤理事にお尋ねしますが、教育委員会に聞いたところ、昨年の決算特別委員会以前から何年もALTの増員を要求していたが財政上の理由で断れ続けてきたという話ですがこの点についてはどうですか。







☆教育委員会にお尋ねしますが、他市が増やしているなか交付税の負担について何故気がつかなかったかというのは問題だと思います。財政が教えてくれなかったにしても、やはり原課が調べたり、他市に聞くなりする必要があったと思いますがどうですか。







☆消防は交付税や補助金の情報を素早くキャッチしているようですが、どのようにしてそのような情報を掴んでおりますか。







私自身もこの問題に気がついたのは、他市の先生との何気ない会話だったり、財政とのコミュニケーションが比較的とれていたからだと思います。



雇おうと思えば雇えたのに、交付税の制度を市が知らなかったためにALTの授業が他市に比べて1/4しか受けれてなかったのであれば、小学生や中学生に謝らなければならないくらいの問題だと思います。



常々言っていますが、市役所はひとつの組織であるのに、各課とくに各部どうしが全く別組織みたいになっている。もっと情報交換、情報共有を出来る体制にしておかないと市民が損をすることになる。



今回がその典型で、もし情報共有が出来ていたらその間小学生や中学正はもっと英語の勉強が出来ていたのにと思います。



☆副市長にお尋ねしますが、今後のことも考えてなぜ気付かなかったのかという原因を解明しておくべきだと思いますがどうでしょうか。







これはALTに限ったことでなく、他のものも知らないがために損をしているというのはある可能性も十分あります。



どちらにしても終わってしまったことに関しては仕方がないので、今後どうするかが問題でしょう。



☆小中学生の学力の向上のためを考えても、財政上の負担がないことを考えても、私としてはすぐにでも各中学にALTを配置して4人の体制とすべきだと思いますが、理事どうですか。







☆市長どうですか。







☆市長、理事とも4人で構わないという意見だと思いますが、教育長どうですか。







事務的なことは確かに大変な面もあるのだろうと思いますが、これまでの経緯が経緯なだけに、やはりすぐにでもすべきだと思います。



答弁の中でALTの質の問題があがっておりましたが、ALTの先生としても慣れない異文化の国に来て当惑も多いだろうし一定仕方ないところもあるのではないかと思います。



☆そこで、教育委員会ばかりで対応するのではなく、里親制度のようなものを導入してみてはと思いますがどうでしょうか。







明治時代のお雇い外国人もそうでしたが、来てもらった外国人に日本の生活に慣れてもらい、いい仕事をしてもらうことも大事です。



顧客満足を高めることがマネジメントだとしたら、中学生の満足度を高めるために、ALTの日本での満足度を高めてもらって、いい仕事をしてもらうように配慮することも市の仕事のひとつだと思います。



他市の学校現場の先生の話を聞くとALTがいることで生徒も英語の必要性を実感できるので非常に有意義であるし、自分自身が英語を話す機会が増えるので自分にとっても勉強になると言っていました。



しかし、今回教育委員会の打合せの中で大変残念だったのが、ALTが来ることで事務仕事が増えるとか、文法を教える時間が減るので受験にとってはマイナスであるとか言っていたことです。



私が、中学校、高校の時はALTというもの自体がなくただ受験のためだけに英語を勉強していました。そのため、大学受験が終わると英語の勉強など一切しなくなり、当然ネイティブと話す機会があったとしても適当にお茶を濁していたといのが現状です。



普段は生きていくための教育と言っていながら、こういうときは受験があるからと教育委員会が言っているようでは本末転倒です。



ある友人が少し覚えた英語でふらふらとアメリカに行ったときに空港やホテルでは片言英語でも相手がゆっくり話してくれたので理解できたけど、その友人が、フィンランド人とスロバキア人2人の合計4人で英語の会話になったときはヨーロッパの3人がネイティブのように話すので会話の内容が全く理解出来なくて非常に情けない思いをしたと言っていました。



これは、そのような狭い範囲の話ではなく、広い範囲でも全く同じ現象です。



つまり、日本が受験勉強のため読み書きの英語を勉強しているうちに、ヨーロッパではどんどんコミュニケーションをとっている。



世界というステージでヨーロッパやアメリカの国々の人が英語でどんどんコミュニケーションをとりビジネスを成立させているのに日本はその内容すら理解出来ず取り残されてしまうという状況です。



読み書き計算が重要だというのは、もちろん分かっているけど、自分自身が小学校、中学校で言われるとおり読み書き計算の勉強はしたが、英語の勉強をしなかったために仕事も楽しみも減少しているという事実を誰よりも実感出来るので、今の小中学生にはもっと英語を勉強してほしいと思います。



今回は外国語教育についてというテーマを取り上げてに質問してきましたが、これからの日本の未来を背負っていく小学生や中学生に、市はもっと外国語を勉強する機会を提供しなければならないということを再度強調して終わりたいと思います。



以上です。