議席7番渡辺裕です。
1、 英会話を通じた国際交流について
2010年12月に本市はドイツ・メアブッシュ市と国際友好都市提携を締結し、今月23日にはメアブッシュ市の市長が四條畷市に来られます。
この来日を四條畷市とメアブッシュ市の交流を市民の草の根レベルに落とし込んでいくきっかけに出来ればと思っております。
私の考えではその第一段階として四條畷市の小中学生とメアブッシュ市の小中学生が交流を出来る仕組みづくりが必要だと思います。
そのためには四條畷市の小中学生の英会話の力を向上させなければなりません。
そこで、現状市の小中学校では英会話のための授業はどのように行われているのか、また、英会話の授業時間は年間どのくらい確保されているのかをお尋ね致します。
<再質問>
Ø ALTのその後
自席より再質問をさせて頂きます。
小中学校の英語授業の内容及び授業時間について答弁をして頂きました。
その中で英会話に関するものについては主にALTの授業内容だと思います。
ALTの問題については、過去の議会で質問をさせて頂きました。
当時、四條畷ではALTは4中学で当時1人しかいなかったのですが、他市ではほとんど各中学に1人いるという状況でした。
このことに疑問を感じ詳しく調べてみた結果、ALTの費用については事務費を含めて国の補助金で支給されるということが判明しました。
その点を一般質問で指摘し、現在では各中学に1人は配置されるようになりましたので自分としてはその後の運用や効果について関心を持ち続けています。
○そこで、その後ALTが各中学に1人になったことによるメリットとデメリットをもう少し詳しく教えて頂けませんか。
断然プラスに働いているということですので、これが出来ただけでも私が議員にならせてもらった甲斐があるのかなと思います。
○ALTが一人だった時の授業時間と現在の4人体制の授業時間をお尋ねします。
一人だった時と比べると4倍に増えたことになります。
○ALTが関わる場合の授業内容はどのようなものでしょうか。
○答弁で、小学校では年間35時間、中学校では年間105時間とお答え頂きましたが、ALTの授業はそれぞれ年間でどれくらいありますか。
これは非常に効果のあることだと思っております。接することで今まで教科書のなかの、また、受験のための英語だったのが、英会話というコミュニケーションのための英語に変化してとらえることが出来るからです。
○ALTに対する生徒たちの反応はどうでしょうか。
自分の小中学生の時代を振り返ると、小学校ではもちろん英語の授業はありませんでしたし、中学ではALTなんかはおらず、文法を学び、リーディングを学ぶという古典的な英語の勉強をしていました。
実際に私が外国人と会話した記憶があるのは大学卒業直前の卒業旅行でオーストラリアに行った時に恐る恐る道を聞いたり、店で値段を聞いたりしたしたときだけなんで小学校から大学の16年を通じてネイティブと話した時間の合計30分あるかないか程度だと思います。
Ø 現状の小中学生の英会話の実力
先程小中学校での勉強時間について教えて頂きました。私が小中学校だった頃はそのような授業は皆無だったことを考えると隔世の感があります。
時代も大きく変化していますので、求められるものも変化しているでしょう。
ただ、それでもなかなかその英語が出てこないのは日本の英語教育は話す、つまり、スピーキングはという行為が完全に欠落しているからだと思います。
何となく読めたり、聞けたりしても、話した経験がないのだから上手く話すことができない、そういう理由なのだろうと思います。
○そこで抽象的ではありますが、現在の中学生ではどれくらい会話が出来るようになっていますか。
ほとんど話せないだろうというのがお答だと思います。
ただ、実は、空港でどこに行けばいいのかとか、駅でどの電車に乗ればいいのかとか、ホテルの部屋は空いているかという質問は中学英語で十分出来ます。
それが、会話として出来ないのは学力が低いからではなく、スピーキングの経験がないからだと思います。
○現在四條畷中学で「使える英語プロジェクト」ということをしていると思いますが、その内容、予算、効果、感想などを教えて下さい。
○この予算に含まれる英語能力判定テストの内容とその結果に対する分析をお尋ねします。
Ø 本市の目指す英語教育は
前回の一般質問で教育の理念についてお尋ねしました。
○そこで、市では英語教育についての理念や目標はお持ちですか。
○寝屋川市では英語特区として英語教育には力を入れています。そこで、寝屋川市の英語に関する理念や目標はどのようなものか分かれば教えて下さい。
これを聞いてもそういう目標を持っている寝屋川市とそれがない四條畷市では英語学習という面で差がついても仕方がないなと思わざるを得ません。
英語学習を成功させるコツは、まず自分が求める英語の使い方を考え、さらに具体的な目標を設定することです。
○そこで、教育長の考える英語教育の目的と、これから生徒たちが国際社会を生きていくうえでは、どのような英語力が必要とお考えかをお尋ねします。
○それでしたら、是非英語教育に関する目標をしっかりと決めて、公表して頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
私自身は英語教育の目的は英語をマスターすることで視野を広げることだと思っております。
英語をものにすると、自分をとりまく世界も大きく変わります。
視野が広がり、復元的に物を見ることが出来るようになる。
英語を通じて日常的に海外に文化と接するようになると、日本の常識だけにとらわれることがなくなり、より自由で多様な価値観の中で生きていけるようになります。
国内と海外の両方の見方を知ることは、適切に感情をコントロールしたり物事を冷静に判断したりするために、非常に重要な役割を果たす。
Ø 英会話システムの構築
自分の反省点から考えると、英語をマスターするうえで重要な課題は実際にネイティブの方とどれだけ話す時間を確保出来たかということになると私自身は思っております。
強固な城を攻める際には、全体を攻撃するのではなく、一番弱そうな箇所を重点的に攻めることが大事だと言われています。
まずスピーキングに集中する。そして、スピーキングがある程度うまくなった時点で、後の3つについては考えればいい、というのが英語という難攻不落の城を落とす最短のコースなのです。
○中学校と小学校の1クラスの生徒数は何人いますか。
○そこで、授業時間と1クラスの生徒の人数から考えると1人あたり何分くらいネイティブの方と話す時間がありますか。
生徒数は1クラス40人と考えると1人あたりでは15分くらいになると思います。
これは単純に平均なので、積極的に話す生徒にとってはその時間は増えるだろうし、逆に消極的な生徒にとってはもっと短い時間になるものだと思います。
さらに、小学校では中学より授業時間は少ないので、1人あたり5分という計算になります。
こう考えると、1クラスあたりでは以前ALTの先生が1人だった時代から考えると飛躍的に改善されていますが、1人あたりの会話時間という観点から考えるとまだまだ少ないのが現状だと思います。
ただ、これに関しては四條畷だけがこのような環境にあるのではなく、どこもそんなもんなのだと思います。
日経新聞の最後のページに私の履歴書というコーナーがあります。
そこでは各界の著名な方の人生が書かれておりますが、私がいつも注目して読んでいるのは、そういう方々がどのような幼少期を過ごしてきたのかという点であります。
ほとんどの場合、本人が気づいているかどうかは別として、人とは違う幼少期を過ごしているようです。
例えば、連載されていた外交官やアサヒビールの会長なども親の影響で何らかの形で幼少期から英語との接点がありました。
白洲次郎も親が貿易商で子供の頃からネイティブの家庭教師がついていました。
全ての分野についてそう思いますが、英語に関しては特に、頭の善し悪しというより与えられた環境が重要なのだと思います。
たまたま英語が得意というのはないんだと思います。
そこで、私が考えたのはとにかく小中学生には英語を話す機会を提供してあげることです。
そこで、明日にはメアブッシュ市から市長が来日されます。今後この来日をきっかけに今後ますます交流を深めていくきっかけになってほしいと思っております。
市長が来日されてそれで終わりということにしてしまうと来て頂いたり、訪問させて頂くときはいいのですが、それ以外のときは実質的な交流が出来ないことになります。
だからこそ常時交流できる仕組み作りが必要だと思っております。
そのために、考えたのが今回の質問のエッセンスとなるシステム作りです。
趣旨としては、四條畷の小中学生とメアブッシュの小中学生がスカイプを通じて会話をしてもらう。
日本語やドイツ語ではお互いほぼ知らない言語なので、会話の際には英語を使う。
そして、適当に時間見つけて話してねというのでは余程の交流が出来た後でなければお互いにコンタクトを取れないので、市でその中継をするためのシステムを構築する。
お配りした資料を見て頂きたいと思います。
つまり、このネット上で何をするかと言うと、四條畷市の小中学生であればメアブッシュ市の小中学生と話したい時間を登録する。
サイトには、日本とドイツの時差を考慮に入れながら、一定の時間の中で15分刻みで登録出来るようにしておく。
例えば、夕方の16時から16時15分にメアブッシュ市の小中学生と英会話で交流したいと登録すると、そればメアブッシュ市の小中学生が見るサイトに反映され、その時間を予約する。
そうすると、その時間に交流したい生徒同士がマッチングすることになります。
そして、その時間になったときにどちらかが、スカイプで電話をかけると電話がつながることになります。
そして、15分間身ぶり手ぶりを交えながら英会話で交流を図るという仕組みです。
このシステムさえ構築してしまえば、常に両市での交流が草の根レベルで行われることになりますし、小中学生が英会話に興味を持つと思います。
毎日話せば4日で60分、1ヵ月で7時間半、1年で90時間、これだけ出来れば他市とは比較にならない程英会話をしていることになります。
このシステムの構築にかかる予算としては私がザックリ見積もったところ、システム構築が約100万円、その後の維持費が月5~10万円です。
○羽森部長は4月から学校現場に戻ることになり、晴々とした表情をしておりますが、このシステムがもし出来れば是非積極的に生徒に使って頂きたいと思いますがいががでしょうか。
羽森部長の答弁は抜群に安定していたのでこのまま市役所に帰化して欲しいと思っておりましたが、学校でも是非大活躍して生徒の学力を向上させて頂きたいと思います。
Ø おわりに
最も効果的な勉強法は「長く続けらるもの」で第一に、楽しく続けること、第二に、実地の中で覚えていくことだと思います。
このシステムの構築をつくることで四條畷市とメアブッシュ市の交流が活発になり、かつ、小中学生が意欲的に英語を勉強するきっかけにして欲しいと思います。