2010年10月25日月曜日

一般質問(2010年9月議会)


















バブル崩壊以降日本は20年以上長期の停滞期が続いていると言われています。

「賢者は歴史に学び、愚者は体験に従う」と言わ諺があります。今こそ過去の事象を調べて、新しい時代への躍進のきっかけをみつける時だと思います。

そういう視点で過去を振り返ると、現状に近いと思われる時代は江戸末期があげられるかもしれません。

江戸末期は一般的には暗い時代と言われています。人々の心理状態は今のような閉塞感に近かったかも知れません。

しかし、江戸末期には、寺子屋が隆盛を極め、庶民の子どもたちはこぞって読み、書き、ソロバンを習いにいっていたので当時は日本の学力は世界でも最高クラスであったと言われています。

寺子屋の数は日本中に1万から2万あったとのことです。

現在日本のコンビニは約4万軒あります。仮に寺子屋の数が1万だったとすると、寺子屋の4倍になります。

一方、人口は江戸時代が約3千万人であったのに対し、今は約12千万人ですので4倍です。

人口当たりで考えると、実に今のコンビニに相当するくらいの数の寺子屋があったという計算になります。

日本の近代化を考えるときには、どうしても明治時代にばかり目を向ける人が多いのですが、日本が近代化に成功した鍵は、実は江戸時代にあると言えます。寺子屋をはじめとする教育や文化の蓄積があったからこそ明治時代になって急速な近代化が出来たと言えます。

今の日本の状態を江戸末期に近いと捉え、躍進の準備をすることが出来れば今の時代を嘆く必要もないし、未来を憂う必要もなくなってきます。そのためには原点に戻った教育が必要です。

そのような歴史認識をバックボーンにして今回は幼児教育に絞って質問をしていきたいと思います。



1、     幼児教育について

  幼稚園の統廃合問題
・幼稚園の統廃合問題について市民からどのような意見が出て、その意見をどのように反映する予定ですか。

・もし統合するとすれば、初年度にかかる費用はいくらになりますか。また、毎年のフローでの効果額はどれくらいを予想していますか。

・通園バスを出す予定はありますか、また、出すとすれば利用者に係る費用と市が負担する費用はいくらになると予想していますか。

・遠距離から通園する児童が増えると駐車場や周辺道路を整備する必要性が出てくると思いますが、市ではどのように考えていますか。

  教育方針
・幼児教育について市はどのように考えていますか。

・今後の市立幼稚園はどのような特色を出していく予定ですか。





自席より再質問させて頂きます。

2、     幼児教育について

  幼稚園の統廃合問題

市立統合幼稚園準備委員会で検討していくという答弁でした。

市民の方からは「実情として市民は統合に至るまでの経緯を知らなかった」という意見を頂きました。

☆今後こうならないように何か対策はお考えですか。


多くの市民の方がプロセスの不明確さと自分達の意見が反映されていないと思っておりますので情報公開を徹底しながら市民の理解を得るよう努力して頂きたいと思います。

周辺道路については、具体的な答弁は頂けませんでしたが、市民の「遠くからの通学が増えればどうしても解決しておかなければならない問題」という意見もありますので市立幼稚園準備委員会でしっかりと検討して頂きたいと思います。


  次に、バスについてですが、利用者の負担について他市や本市の私立幼稚園では1月いくらくらいの負担をしてもらっていますか。また、バスに乗らない人からはどうしてますか。

  市民からの意見でもバスを出すとしたら、3,000円という話が一人歩きしているようですが、この3,000円の根拠はどこにありますか。


  バスにかかる費用として答弁では年600万円ということでした。この600万円の算出根拠を教えて頂けないでしょうか。


バスについては乗る人と乗らない人が出てくるので、私立幼稚園や他市の幼稚園の様子を見ても受益者負担も一定やむをえない面もあります。

また、人件費いついては大東市を例にすると再任用の方にドライバーを勤めてもらうことで年間90万円ということでした。

大東市ではバスの購入費が400万円ということでしたが、


  統合幼稚園では定員70人のうち何人が徒歩や自家用車の通学で、何人がバスを必要とすると試算していますか。


  全体の30%から40%と考えると、21人から28人ですので、恐らく大東のバスほどの大きさは必要ないと思います。本市ではその半分くらいのもので対応可能なのかとは思いますがいかがですか、またその場合、値段はいくらくらいになりますか。

そうするとバスの購入価格も250万円から300万円くらいでも十分可能かと思います。

仮にバスは購入して10年使うとすれば、一年あたりでは25万円から30万円です。

これに人件費やガソリン代の90万円を加えると、1年あたり115万円から120万円の支出でいけるということになります。

そこで年間の費用120万円を最大28人で負担することになると

1,200,000円÷28人÷12=3,571

となります。

28人で計算しましたが、これ以下の人数になれば当然市の負担が増えるということにはなると思いますが、そういう時こそ市立であるのだからその差額を負担すべきだと思います。

バスを出す出さないを議論しているのだから他市がいくらだとか本市もというのではなく、具体的な根拠に基づいて算出した額を示さなければ市民の方も納得して頂けないと思いますのでよろしくお願い致します。



・遠距離から通園する児童が増えると駐車場や周辺道路を整備する必要性が出てくると思いますが、市ではどのように考えていますか。



  教育方針

教育方針や特色については頂いた資料によりますと「自分らしさを発揮し、豊かな心とたくましく生きる心をもった子どもを育てる」となっております。

色々な考え方があるとは思いますが私自身は勉強についての一文を入れた方がいいと思っています。少しでも早く勉強を始めることは子どもにとってもプラスだと思うからです。

そういう思いがありましたので、前々から視察に行きたかった鹿児島県にあるヨコミネ式で有名な通山保育園に視察を受け入れて頂き92日に泉大津市の市議会議員とともに行ってきました。

出来れば動画をお見せしながら、紹介したいのですが、議会の慣例上そうもいきませんので、写真を参考にしながら質問をしていきたいと思います。

通山保育園は鹿児島空港からバスで2時間程行った自然あふれる所にあります。(写真1

この保育園でしていることは読み、書き、計算と体育を徹底させることです。

<読み>

読みは、文字通り読書をさせています。

実際私が見てきたクラスでも3歳児が簡単な本を声を出しながら読んでいました。(写真)

☆読書の音読については教育長はどのようにお考えですか。


4歳児や5歳児になると徐々に文字数の多い本を読むようになっています。

本を読んだら読んだ本をノートに書いてあげていました。そうすれば子供たちもこれだけ読んだという自信にもなるし、ノートに記録してほしいからより読書意欲にかられるようです。(写真)

絵本を見せ、文字を指差しながら読み聞かせていくと、10冊目くらいを読み終えた頃に多くの子どもたちがなんとなく拾い読みが出来るようになっていると言っていました。
小学校に入学するまでに平均1,500冊の本を読破。小学生3年生になる頃には3,000冊の本を読んでいるそうです。

私も読書に関しては一日何頁読んだかを手帳に記録することで読む量が飛躍的に向上しました。読んだ頁が少ないと悔しくて次の日は多めに読もうという気持ちが働くからです。

卒園までに1,500冊というのはすごい数だと思います。参考までにこの写真に写っている本を紹介いたしますと(写真)このようなものがあります。

☆そこで、本市の幼稚園でもたくさんの本を読んで欲しいと思いますが、岡山幼稚園とえせび幼稚園にはそれぞれ何冊本がありますか。

予算委員会で本の寄付を提案しましたが、その時の答弁で本の種類分けが難しいとのことでしたが、幼稚園生が読む本であれば比較的ターゲットを絞って集めやすいと思います。

本の数が少ないと読むことも出来ないので、幼稚園には出来るだけ多くの本を用意してあげてほしいと思います。


<書き>

「書き」は、3歳児から字を書く練習をしていました。3歳児がきちんと椅子に座って黙々と書いている様子です。(写真)


  ちなみに、四條畷の公立幼稚園では字を書く練習はしていますか。

私も字を書く練習を初めたのは小学校だったような気がします。

ヨコミネ式の特徴は普通であればひらがなの「あ」から始めるところ、「あ」は難しいから、漢字の「一」、数字の「1」、漢字の「十」、そしてカタカナ(コピー参照)のように書き易いものから練習をしたました。

☆このように、一や十、次にカタカナを中心に勉強させていくというのは私も思いもよりませんでしたが、これについては教育長はどのように思われますか。


そして、一通りかけるようになると、今度は小学生新聞の気に入った箇所を、書写させています。

書写しているなかで分からない、漢字や単語が出てくれば、それを国語辞典で調べていました。

原稿用紙を渡して、自由に作文を書かせ、テーマを決めずに、好きなことを好きなように書かせる。小学生3年生になる頃には、平均2,000枚の文章を書いています。

10歳までに2,000枚の文章を書いて、3,000冊の本を読むのですから、この積み重ねは着実に力になっていきます。

私も選挙の時に国語力を重視と書きました。これも私自身、国語力は社会人にとって不可欠なものだと思ったからです。

読み、書き、話すは全て連動していて良い文章を書いたり、皆の前で説得力のある話をするには良質なインプット、すなわち読書、読むということが必要です。

だから読書を徹底する必要があるし、ただ読書するだけでなく、書く、話すことを前提にしながら読むということが国語力を高めるポイントだと思っております。

書くことを前提にすれば読解力も上がります。

だから読み、書きをそれぞれリンクさせながら教えるべきだと思います。音読もその一環としての効果があるのではないでしょうか。

読み、書きを中心とする国語力は人の人生を左右するくらい重要なものだと思いますので出来るだけ早い段階で教えてあげてほしいと思います。


<計算>

「計算」は、このようなシートを使いながら、勉強をしていました。当然足し算も引き算も知らないのですが、自分で指を折りながら考えていました。

また、園児たちは九九をマスターしていました。これは無理に覚えさせているのではなく、毎日九九のCDを聞かせているとのことです。

☆九九のCDくらいは早速取り入れてみてはどうかと思いますが、どうですか。


また、ソロバンもしていました。私もソロバンはしていましが、最近では電卓を使うようになったためそろばんのやりかた自体忘れてしまっています。

しかし、園児がそろばんを使って猛烈なスピードで計算している姿を実際にみるとソロバンのすごさを再認識しました。

  四條畷では幼稚園もしくは小学校でソロバンの授業はありますか。


ソロバンのすごいことは、まずソロバンを覚えてその後暗算をマスターすることにあります。

5歳児が3桁の計算をする姿は驚きというより感動を覚えました。


英語については以前詳しくやりましたので、今回は参考程度に紹介したいと思います。

0歳から英語の歌を聞かせていました。これから脳が出来上がる0歳の時期から、日常生活に英語を組み入れると、子どもの脳は、自然と英語を理解出来る脳に成長し、5歳になるまでに英語の歌を200曲聴き歌い、英語のビデオを200本見せているようです。

ポイントは日常生活の中に英語を取り組むこと。英語の勉強をしているという意識を子どもたちに与えない程度に、日常生活の中に英語を加えてしまうこととのことですので本市でも是非参考にして頂きたいと思います。


<体育>

運動神経をつかさどるのは小脳で、小脳は6歳までに100%出来上がると言われています。つまり、運動神経の良し悪しは6歳までに決まってしまうのです。

子どもの運動神経を伸ばすには体操が必要です。ストレッチ、ブリッジ、逆立ち歩き、マット運動、跳び箱、レスリングなどの体操を、バランスよく行うことで自然に運動神経が発達する(写真)という話をしていました。


横峯理事長は幼児教育にお金はかからないとお話していました。自分で調べて自分で学ぶことが基本だからです。自学自習こそが学力をつける最大の要素だといっています。

私自身も今となって見に付いているものは、教わったという受動的なことより、自ら問題を解いて分からない部分を見つけ出しながら、自分で解決策を見つけたものこそ自分の力になっていると思います。

バカの壁などの著書で有名な養老孟司さんは、人間の脳は、誰かに教えられたことは結局忘れてしまう。教わっても自分で考えてみて、解決したときに、初めて脳に回路が出来て記憶され、自分のものになっていきますと述べています。

自分の力で考え、やってみて、解決して、はじめて脳は滑らかに動き始め、そして一生、その方法を忘れないのです。子供を学ばせたいのなら自学自習。自分でやらせる。自分で学ばせるとのことです。

子供たちの学びたい欲求をフォローして、自分で学べる力を育てて、あとは日々、繰り返すだけ。忘れてはいけないことは、幼児期の子供は好奇心のかたまりであること。知りたくて知りたくて、覚えたくて覚えたくて、脳が渇望しているのですと言っておりました。

横峯理事長は子供はみんな天才だとお話していあした。

我々大人が固定概念から子供の可能性を制限してしまっているのだと感じました。

やるべきことは意外と簡単です。毎日必ず本を20分間読ませます。そして20分間書く練習をさせます。同じように20分間計算練習をさせます。さらに20分、駆け足などの体操をさせます

つまり、勉強に関しては、読み、書き、計算を20分ずつ合計60分自学自習させることです。

☆市の公立幼稚園のカリキュラムを見ると、学習時間というのはあまりないようですが現状はどうなっていますか。

私立幼稚園や他市の幼稚園では、読み、書き、計算の勉強をしているところが多いので小学校に入る頃にはその段階で大きな差をつけられてしまっている可能性が高いと思います。

☆そこで私は一日60分だけでいいから勉強時間を入れて頂きたいと思いますが、教育長のお考えはいかがですか。

今日は何点か質問させて頂きましたが、この一日60分の勉強時間を入れて欲しいというのと、教育理念で勉強という一文を入れてほしいというのが今回のエッセンスです。

市立幼稚園の特色について答弁でもありました。

しかし、普通のことをしていても特色というのは出ないと思います。そこでせっかく市立の幼稚園を持っているのだから、本当の意味で特色を出して、自発的に市立幼稚園に入りたいと思われる幼稚園を目指すべきだと私は思っております。

横峯理事長は、天才は10歳までにつくられるとお話ししていたように私も視察を通じて10歳までに大きな差が出ると実感したし、この差を埋めるには大変なことだとも思いました。

議員にならせて頂いてから3年半、特に財政面から考えると人口の少ない市というのは不利な点が多いなぁと感じることが多かったと思います。スケールメリットが働かないからです。

しかし、こと教育に関しては、むしろ小さい市の方が目が届きやすく、きめ細かな配慮が出るので有利な点も多いと思います。

特に幼稚園教育は市立幼稚園は現状でも2園しかありません。ということは本気を出して、これらの園をこういう方針でやっていこうと打ち出すことが出来れば大きく変えることは可能だと思います。

今回の議会で幼稚園の預り保育に関する議案もありましたが、ただ預る時間を長くするだけでは何となく面白味に欠けるような気がします。

せっかくの機会なのだから確かな学力をつける方向でアイデアを出すべきだと思います。

今後いくら島国の日本と言えども世界の大きな流れの中で、自由貿易協定、経済連携協定などが動き出すと、ますます国際化が進展し、世界がボーダレスになると思います。給料も日本だけで決まるものでなく、世界の水準に準拠することになります。

ですから、国際化社会でも戦える人材を育てることが急務です。

横峯理事長も東大を出ても仕事がない時代になる。理系に進む必要があると言っていました。

ノーベル賞を受賞した北海道大学の鈴木教授は、日本には資源がない。あるのは人だけ。新しい分野で新しいものをつくる。それ以外に日本の生きていく道はない。だからこそ理科に興味をもってほしい。とお話されておりました。

冒頭で歴史に学ぶことが重要だと話しました。日本の強みは昔から読み、書き、計算を徹底し世界最高水準の学力を築いたところにその原点があると思います。

まだまだ不景気が続いておりますが、四條畷も今こそ原点に戻って幼少期こそ読み、書き、計算を徹底することで国語力、計算力を高め、それを基礎にしながら中学、高校、大学で理系科目を強化して世界と戦える人材を育てて頂きたいと思います。

以上です。