2011年9月20日火曜日

平成22年度下水道事業会計決算について


議席7番、渡辺裕です。

認定第7号、平成22年度四條畷市下水道事業会計決算の認定について
質問させて頂きます。

下水道事業会計は、平成21年度より企業会計化しており、複式簿記に基づいた
貸借対照表、損益計算書が作成されているため水道会計同様非常に分かりやすい
決算書となっております。

また、今後の収支見通しを見ても損益と貸借がリンクしているのでしっかりと
将来の予測が出来ていることが分かります。

下水道会計の最大の問題点は、過去に短時間で下水道を整備したことから、
多額の借入残があることだと思います。

21年度末で一般会計の借入残が約195億で
下水道事業会計の借入残が約188億ですから、
この借入が市にとっても大きな負担となっていることは間違いありません。

この借入は短期で償還していくことは不可能なので長期的にどのように
償還していくのかということが大きな課題です。

まず、損益計算書を見ますと

当年度純利益は、88,973,338円

当年度未処分利益剰余金は、89,765,435円

ですので一定健全な経営が出来ていることになります。

次に、以前頂きました収支見通しを見ますと、
営業キャッシュフローにあたる収益的収支は

平成22年度が、 9,900万円

平成23年度が、 9,600万円

平成24年度が、 1億2,700万円

平成25年度が、 1億3,300万円

平成26年度が、 1億3,700万円

平成27年度が、 1億4,000万円

平成28年度が、 1億4,400万円

平成29年度が、 1億4,500万円

平成30年度が、 1億4,400万円

とプラスで推移
しており、営業上のキャッシュフローには問題はありません。

しかし、財務キャッシュフローと投資キャッシュフローにあたる資本的収支を
見ると、キャッシュの不足分を一般会計借入金で補てんしていることが
分かります。

一般会計借入金の推移を具体的に見てみますと、

平成22年度が、 84,000円

平成23年度が、 477,000円

平成24年度が、 852,000円

平成25年度が、 386,000円

ここらへんまでは少額ですが、ここから急激に増加します。

平成26年度が、 3,600万円

平成27年度が、 2,800万円

平成28年度が、 6,100万円

平成29年度が、 9,500万円

平成30年度が、 1億2,100万円
です。

 ☆そこで、平成26年度から30年度にかけて急激に一般会計借入金が
増えていく理由をお尋ねします。

☆また、一般会計にしても現状厳しい財政運営が求められるなか
この下水道に貸付金を出すことになると大きな負担になります。

この下水道に対する貸付金を予定して収支見通しを考えているか
またその余裕はあるのかをお尋ね致します。

以上2点につき答弁よろしくお願いいたします。


<2回目>
68、69ページの損益計算書を見ますと

当年度純利益 88,973,338円

減価償却費 551,458,782円

ですから、合計で 640,432,120円

ですから、この約6億4千万円が営業上で出たキャッシュで借り入れの返済可能額となります。

これに新規の投資等を考慮すると年間4億円位が償還に回せる
お金かなと思います。

平成21年度末の借入残は188億ですから、このペースだと、
約50年もあれば債務は返済される可能性はあると思います。

また、一般会計も21年度末で195億の借入残があるため、
大変厳しい財政運営が続いていると思いますが、平成30年度
からこの下水道事業会計に多額の貸し付けを行うことは
財政的にも大変ですが、この負担を一般会計等の収支見通しに
見込んでおくことは、今後の財政を考えていくうえで非常に重要
です。

お答え頂いた資本的収支の悪化要因は少し複雑です。

黒字が出ているのに一般会計借入金が増えるのは
返済方法が、元金均等返済ではなく、元利均等返済だからだと
思います。

つまり、当初は返済額に占める利子の割合が高いが、途中から
利子の比率が減っていくので支払利息の減少に応じて損益が改善されます。

一方で返済額に占める元金の比率が高くなるので、キャッシュが
不足していきます。

それと同時に利子が減った分、一般会計繰入金を減らされて
しまうためその差額を一般会計借入金で補う必要が出てくる。
こういうことなんだと思います。

ただ、これは答弁頂いたように平成40年くらいまでの話です。

平成40年までは、今お話させて頂いた理由により元金返済額が減価償却費より多いためキャッシュが
不足しますが、平成40年以降は、元金の償還が段階的に終わっていくものが
出てくるため、元金返済額より減価償却費の方が多くなりキャッシュの
余裕が出てくることになると思います。

そうなると一般会計から見れば、下水道会計に貸していたお金が
順次返済されることになるので、一般会計としては平成30年から40年の約10年間
は負担が厳しくなりますが、平成40年以降は逆に余裕が出てきます。

そういうことをしっかりと、下水道会計だけでなく一般会計の資金計画に入れていくことが今後の
市の財政を運営していくうえで非常に重要です。

戦略は細部に宿るのだと思います。

そういう展望を描けるようになったのも下水道事業会計の複式簿記化の
大きな意義だと思います。

それと同時に財政を長期的視野から見やすくなったことは大きな意義だと
思います。

財政は長期的に考えて初めて短期の財政運営についても正しい選択が出来るもの
だと思います。

今年黒字だから、料金を改定すべきではないかと狭い視野で
見てしまうことは結局は将来世代に負担を押し付けることに
なりかねません。

下水道会計は過去の投資が先行しているため損益だけでなく、キャッシュフロー
についても慎重に見ていく必要があることを強調して

認定第7号、平成22年度四條畷市下水道事業会計決算の認定について
質問を終わります。