2008年3月30日日曜日

一般質問(派遣職員の活用、知識や技術の伝承)

1、 派遣職員の活用について




・ 派遣職員として大阪府から四條畷市に来ている職員は何名いてそれぞれどのような業務に従事しているでしょうか





・ それらの職員は大阪府に戻った後それぞれどのような業務に従事しているでしょうか





・ 現在の職員で派遣職員として四條畷市から大阪府に出向した職員は何名いてそれぞれ大阪府でどのような業務に従事したでしょうか





・ それらの職員は四條畷市に戻った後それぞれどのような業務に従事しているでしょうか





・ 東京都では夕張市に職員を出向させ再建団体の現状を生で学ばせているらしいが四條畷市でも夕張市や他の財政状況がかなり苦しい自治体に職員を派遣する考えはないでしょうか







2、 知識や技術の伝承について



厚生労働省の昨年10月の発表によると、60歳以降の雇用確保を目的とした「改正高年齢者雇用安定法」が施行された2005年以前と比べ、定年後も継続雇用される予定の人の割合は、48%から77%と29ポイントも増加しています。今後は定年を延長する企業も増えるでしょう。なかには定年を設けない企業も出てきております。



・ 本年3月に引退する職員はどの部署にそれぞれ何人いるでしょうか



・ 引退される方の知識や技術を若い職員に引き継ぐことが重要だと思うが市では具体的にどのような対策を講じているでしょうか



・ 職員の意思にもよるが60歳という現在ではまだまだ働き盛りの年齢で引退される方を積極的に再任用する考えはないでしょうか







(再質問)



2つをまとめて再質問させて頂きます。



後でも述べますが府から市に来ている職員は客観的に四條畷という組織を分析できるだろうし、引退される職員も長年の経験から分析できることも多いと思います。



そこで、それぞれの方から四條畷という組織の課題や意見についてヒアリングしておきましたので、その内容の一部を列挙しながら私自身も同様に感じる問題点について何点かお尋ねします。







・ 市としての収入はないので町なみに部や課を簡素化すべき



・ 経常収支比率に代表されるように財政構造がいっこうに良くなっていない



・ 組合や市は四條畷のことは四條畷でと言っているがそういう考えに無理がある、広域行政を推進していく必要がある



・ 市の保有する施設等も民営化出来るものは民営化して身軽な市にすべき



・ 高齢化とともに住宅都市のもろさが10年後には顕著になる



・ 人口減、住宅減が市民税の減収につながる



・ 機構を簡素化すれば意見や情報の吸い上げは早い



・ 縦割りの弊害でやりたいことがやれない、言いたいことが言えない



・ 組織を細かく区切れば区切るほど意見が通りにくくなる



・ 誰でも意見を言える環境が必要



・ 例えば、風通しをよくするためにも東館の2階にある人権政策推進課、産業労働観光課、行政委員会事務局などの小さな部屋の壁を取り払ったりするお考えはないのかお尋ねします



・ 市の給与は市内の民間に比べてはるかに高い、市民からも理解されるような給与体系が必要(という意見と一方では)



・ 競争のない組織はよくならないし、競争させるにはインセンティブが必要



・ 組織全体で向上心をあげるために、頑張った人が報われる給与体系が絶対必要、プレッシャーを与えるだけでは潰れてしまう可能性がある



・ 民間のように若い人が管理職を目指すような組織作り、給与体系が必要



・ 管理職の処遇に問題がある、責任は上がるが給料は大差ない、現状は課長が一番仕事をしているからもっと課長の待遇を良くすべき(蛇足ですがこれは課長でない人が言っていました)



・ 金もないし、人もいないでは致命的になるので、待遇面だけは近隣他市と同水準にする必要がある



・ 人事院勧告で民間水準というのはある程度フィードバックされている



・ 部や課の統廃合を進め、スリム化した上で部長や課長になった人にはインセンティブを働かせるべく厚遇し、一方で、昇進していかない人は給与面で評価しないということが必要



・ 総額を減らすことを大前提として例えば10段階として、平均が5、よく働く人で7だったのをよく働く人には10、ほとんど働かないのであれば1や2の給与しか与えないというのが正当な評価の仕方だと思うし、そうすれば市民からも理解の得れる給与体系になるものだと思いますが、制度的には可能でしょうか



・ 社会が複雑になり、専門性を求められる時代なのにエキスパートが少ない



・ 財政も他の部署をもっと経験したうえで意思決定をすべき



・ 若いうちは複数の部署をまわり、ある程度の年齢になったら専門分野を作るべき



・ 保育所も狭い世界なので外を知らない職員が子どもを育てるには外を見るべき、採用が決まったら2年間だけでも民間を見るべき



・ 保育所においても公と民の人材交流をすべき



・ 保育所のコストや、各家庭の経済的に一番苦しいのが就学前だということを考えると児童手当というより、むしろ、この時期の補助が必要



・ これが当たり前と思うのは柔軟性がなくなるので良くない



・ 公はしがらみが多いから多種多様なニーズに即座に答えにくい



・ 市民から情報を吸い上げ、いかにその情報を市民に伝えるか

・ 企画は市のデザイナー的な役割なので幅広い知識が必要、広く社会、世界のトレンドに敏感になるべき、それには市役所だけにとどまっていたらダメで市役所外の社会や世界を見るべき



・ 部署によっては部長が実務をしているところがあるが、部長の本来の仕事は決済をしたり、組織を見渡すこと



・ 土地開発公社は利息だけ払っていたら銀行が儲かるだけなので20年から30年かけてでも少しずつ元本を減らすしかない



・ 学校教育課は意欲のある先生が多いが、このような状況のなか指揮をとるべきトップがいないことは心配



・ 議員は特定の個人に雇われているのではないのだから、市全体のことを考えて行動すべきではないか



・ 部長、課長が忙しすぎる、主任レベルで前捌きして、せめて課長で解決すべき



・ 部長、課長は意思決定を中心にすべき



・ 部長、課長に仕事も責任も全て回していたら、全体として仕事が回らない、新しい仕事をこなすキャパがないということになる



・ 個人で仕事をしていて、組織として仕事が出来ていない



・ 仕事が場当たり的、計画性がない



・ 議会がいつあると分かっているのであれば、そこから逆算してスケジュールをたてることができるはず、誰がいつ忙しいのか分かっていれば助ける側の人もスケジュールを組みやすい



・ そこで、10年とは言わないまでも個人の年間スケジュール、3ヶ月ごとのスケジュールを書き出して、個人や上司がチェックする体制を整備する必要があると思うがこの点について人事はどのようにお考えか



・ 職員の意識改革など改めて組織を作り直す必要がある



・ 行革を全て進めておいてどんな状況にも耐えうる四條畷をつくっておく必要がある



・ 年齢が抜けている世代の次の世代の底上げがまだまだ足りていない



・ 若い世代の意識を向上させる教育が出来ていない



・ 人事は嫌われるのを嫌がらず職員に対して厳しく接するべき



・ 部長が後継者である課長級を育てきれていない



・ 課内会議が少ない、情報を共有出来ていない



・ 部長級が会議で本音の意見を言えていない



・ 目標管理、確認を徹底すべき、目標を書かせる、それをチェックするのが上司の仕事



・ 本当に必要なことで残業をしているか、残業の中身を精査しているか、残業が日常化することで日中の仕事の密度が落ちていないか



・ 自分がしている仕事をいつまでに終わらせるかを自己管理しかつ上司がチェックしないとダメ



・ 本人は頑張っているつもりだが成果をあげれていない人もいる、そういう人には誰かが気付かせるきっかけを与えるべき



・ 職員の数が減っているのだからそれぞれの職員が生産性をあげるしかない



・ ゴミの有料化も検討すべき、他の自治体で有料化を導入しているところも増えている



・ どうしてもしなければならないことを市全体で把握して、予算、人材を投入すべき



・ 条例を作ったら終わりではなく進捗管理はずっと続けるべき



・ 仕事をするのは人だがそれを組織でしないといつまでも生産性は向上しない



・ この人しか知らないという仕事を作ってはいけない



・ 人材教育が必要



・ 社会教育課は全て担当課長任せ、新しい制度だから課長がやってくれという雰囲気 他はあまり関わりを持とうとしない雰囲気があった 



・ 他の団体との付き合いもあるが、人材を入れ替えるしかない



・ 厳正な処分を下したので組織的な学習力は向上しただろう



・ 組織で仕事が出来ていない、個人の能力だけでしている



・ 機構改革も看板の付け替えだけに終わっている 



・ くっつけたのを元に戻したりしているだけに感じる、人事やマネジメントは何故元にもどしたのかなどの説明が必要



・ 機構改革だからという理由だけで根本的な説明がない



・ 本当にその仕事をその課がする必要があるのか、その仕事自体が必要なのかを見直すことも必要



・ 必要なもの不要なもの、外注や臨時職員に任すことが出来るものというように仕事の仕訳が必要



・ 事務事業評価が有形無実化していないか、資料を作ることだけに時間がかかっている



・ 何か新事業をするときはどの課が担当する方が適切か判断する必要がある



・ 必要に応じて政策調整会を開く必要がある



・ 業務は移らないにしてもバックアップが必要、割り振りをして市全体で動けるようにすべき



・ 幹部会議をもっとすれば問題点の共有にもつながるし、進捗把握にもつながる



・ 組織のいい部分は褒める必要もある 



・ 意見を言って下さいというのであれば言える雰囲気をつくることも必要



・ 再任用をうまく活用すべき、まだまだ市のために働きたい



・ やり残していることはたくさんある



・ 使えるものはうまく使うべき



・ ある程度の収入でも構わない



・ 引退される職員に関しては大部分の方がこのようなことを言っていれていました。そういうことも踏まえて計画的な再任用のプランを作るべきでないでしょうか





四條畷市役所は忍ヶ丘駅と四條畷の駅の真ん中付近に位置するがどちらからも遠く周りには大きな会社があったりするわけでもないので人の流れは極めて小さいし、他の組織との交流というのもほとんどない。



他と隔離された組織の最大の弊害は、外からの情報が入って来にくいところです。



いくらインターネットが普及してパソコンさえあれば情報はいくらでもとれるなんてことはありません。情報化社会になればなるほど本当に重要な情報というのは人と人つまりface to faceの関係でしか伝わらないと思います。



人間関係にしても放っておいたら出来るなんてものではなく、意識的に作ろうとするからこそ出来るものだと思います。



市として自ら何か意識的に他との交流をしている事例はあるか、また、職員にもそういう機会を与えているかをお尋ねします。







(再々質問)



色々と答弁して頂きましたが、私が議員になって一番気になるのはやはり、縦割りの弊害や市役所外の組織や人との交流の希薄さです。



私は人との交流がなければ、人は成長しないし、人が成長しなければ組織も成長しないと思います。





『遠距離交際と近所づきあい-成功する組織ネットワーク戦略-』

という本の中でこのように述べております。



近くの身の回りの組織と外部の組織とのそれぞれの関わり合い方について述べています。



四條畷にあてはまる部分が多いと思いますので少し聞いて下さい。



業績不振の会社、落ちぶれる地域経済などは、単純化していえば、人と人のまずいつながり方に起因していることが多い。知らず知らずのうちに、日常の決まりきった接触方法や身の周りの最適化だけを目指す傾向にとらわれ、個人として、組織として、生き延びるのに不可欠な新陳代謝ができなくなっている。しかも、こうした変化に気がつかないことが最も恐ろしい。



社会システムの新陳代謝を促す原動力の一つは、直近のネットワークと、ふだんは意識せず接触も少ない遠いネットワークの間に、思いきって少数のバイパス(迂回路)を設けることでどっと流れ込んでくる新鮮な情報である。



いわゆる運がよい人や成功しつづける組織をよく調べてみると、人や組織の運は隣の友人や遠くの知人とネットワークを通してどのようにつながっているかという、構造特性に依存する部分が大きい。



成功する人や組織は、遠距離交際と近所づきあいの、絶妙なバランスととりながら活動している場合が多い。濃密な近所づきあいを維持しながら、他方では、いくつかの触手をはるか遠くへ伸ばし、情報伝達経路のつなぎ直しをして、通常ならけっして結びつかない遠距離の結節点とも、短い経路でつながっている。そこで得られた冗長性のない情報を巧みに利用するのである。



対照的に、失敗しつづける人や組織は、どこかでバランスを崩しており、濃密な近所づきあいに埋もれて遠距離交際にまったく手が回らないが、逆に遠くの結節点との関係ばかり追い求め、近隣との交際を無視するかの、どちらかに偏る傾向がある。要するにネットワークの構造が悪い。





これを四條畷にあてはめて考えると、



今回の社会教育課の問題はまず近所付き合い(直近のネットワーク)、つまり社会教育課の組織内でのコミュニケーションがうまく取れていないことに問題がありました。



もし常日頃から濃密なコミュニケーションが取れていれば担当職員や課長だけで仕事を抱えこまず、他の職員が助けることも出来たであろうし、別の課であっても季節によっては時間に余裕のある職員が助けることも可能であったでしょう。



また有事、つまり問題が起きたときに組織的隠蔽を行ったということ自体、本当の意味での組織の風通しが悪かったことの証明と言えると思います。



ただ、これは社会教育課に限ったことではないので、もし今後同じような不正が起こらないようにするには意識的に近所、つまり市役所内での風通しをよくし、意見や情報を皆で共有出来るような組織作りを徹底する必要があると思います。



また、この1年弱で感じたことは内だけでなく、外とのつながりが希薄な点だと思います。



遠距離付き合いがうまくいっていないというより、ほとんど無いから、新たな情報は入ってこないし、新陳代謝が進まないの現状だと思います。



そうならないために、せっかく大阪府からの派遣職員として来ている職員をもっと活用すべきだし、その人の意見を聞けば外からの情報がどっと流れ込む効果を生むと思います。



同様に四條畷から大阪府に派遣されて帰ってきた職員の経験や知識はその人の個人財産にとどめてしまうのではなく、もっと他の職員とその経験や知識を共有できるよう制度化しておく必要があると思います。



そこで、中村理事も四條畷から大阪府に派遣された最初の職員だと思いますが、そのような経験をされ、かつ、この3月に引退されるという立場から、中村理事自身が感じる四條畷の問題点や今後の課題を教えて頂けないでしょうか。







次に、夕張でなくても北海道などの財政状況がかなり苦しい自治体に職員を派遣することはかなり有効だと思います。



夕張は屋内プールの天井が落ちてきたがお金がないのでそのままにしているという新聞記事を読みました。



恐らくこんなことは一例でしかなく、現場に行けばもっと切実な問題と多数向き合うことができると思います。



そういう追い詰められた自治体の現状を半年でも3ヶ月でも経験出来れば市役所内だけでは知ることの出来ない情報がどっと流れ込み、勉強になると思いますし、人材教育にもつながるので是非前向きに考えて頂きたいと思います。





最後になりましたが、今回のヒアリングを快く受入れてくれた大阪府からの派遣職員の方、そしてこの3月で引退される職員には感謝の意を述べるとともに、これからは、少し遠距離の立場から四條畷に対して客観的な意見を頂けることを要望して今回の質問を終わらせて頂きます。



どうも長い間ありがとうございました。