効率良い市制に向けた一提案として今回は学校給食センターの運営形態について質問していきたいと思います。
平成13年に設立されたこの学校給食センターは当時の紆余曲折を経て現在運営されております。
21億4,600万円の事業費ほぼ全額にあたる20億4,200万円を市債の発行で建設されたこの学校給食センターは平成19年3月末現在においても17億6,400万円もの市債を残しております。
この市債の利息は1.69%と1.95%とのことですので利息だけでも年間3,000万円以上の負担が生じていることになります。
次にこの学校給食センターの減価償却費を仮に耐用年数40年の定額法で計算してみますと、減価償却費は5,365万円です。
ですから利息と減価償却費の合計は8千万円以上となります。
何もしなくてもこれら経費はかかってきます。
また、平成19年3月末におけるこの学校給食センターの市債残高は17億6,400万円となっております。
しかし、連結ベースにおける実質収支のことを考えるとこの20億4,200万円から17億6,400万円という市債の減少は単なる科目の振替に過ぎないのではないでしょうか?
ですからこの17億6,400万円の返済計画を市債全体の500億円の返済計画とを合わせて具体的に教えて頂けないでしょうか?
次に学校給食センターの職員の人数の変遷を見ていきます。
2つの学校給食センターを統合する前の平成12年度において29人だった調理関係職員(正規職員)は、平成18年度において10人と減少しております。
しかし、これに臨時職員、派遣職員を加えたトータルではほぼ毎年29人で推移しております。
そこで、この点から「統合の効果」という点に関してどのように分析されているのかをお尋ねします。
また、平成19年度予算において今まで2人であった事務関係職員に臨時職員を1人追加したのは何故なのかをお聞きします。
正規職員の減少は臨時職員と派遣職員で補っていると思われます。ただこの派遣職員に関しても11ヶ月分の給与という計算方法をとっているとのことですので固定費に変わりはありません。
学校給食センターの稼動日数は年間187日です。もちろんこの稼働日数以外にもメンテナンス等にかける日数が必要だと思います。
しかし派遣職員の契約をしている委託先に聞いたところメンテナンス等に必要な日数は大きな休みの前後2、3日で年間にすると20日くらいだと伺いました。
ですから学校給食センターの職員の実際に必要な勤務日数は年間207日ということになります。
一方、一般の職員の勤務日数は年間242日ですのでその差である35日、率でいうと14.7%については不要な勤務日数だと考えることができます。
仮に平成18年度の正規職員10人の年間給与を一律500万円として計算すると、
500万円×10人×14.7%=735万円
この金額が固定費ゆえの負担と考えられるでしょう。
ですから稼働日数が少ないものに固定費という負荷をかけるということはあまりにもリスクが大き過ぎます。
そこで、こういう考えに基づいた上で今後の正規職員や他の形態での職員の配置予定をお聞きします。
今なぜ学校給食センターの改革が必要かという最大の理由は、今後予想される少子化社会に柔軟に対応すべく早い段階で固定費を変動費に変えておく必要があると感じるからであります。
言うまでもなく一人の職員を雇えば30年から40年間固定費としての人件費が発生します。しかもこと技術職に関しましては一度採用してしまうと他の業務に転用することが難しくなることが予想されます。
最小限の正規職員と臨時職員という形式もしくは公設民営という形式に転換しておけば固定費としての人件費が変動費としての人件費に転換できますので、学生数が減ったときには少ない人件費で、そしてもし多くなればそれに応じた人件費を払えば済むわけであります。
なお民間委託という形式をとった場合、「①安全、②美味しさ、③責任」というものが必ず問題になってくると思います。
しかし、1つめの公がすれば安全、安心という考え方自体疑問があると思います。もし公だけが安全安心なら、いわゆる外食産業は存在しないことになります。
2つめの美味しさに関してですが、全ての外食産業を手放しで持ち上げるつもりは毛頭ございません。しかし民であるからこそ企業努力でコスト削減と美味しさの向上を同時に成し遂げていることもまた事実であります。
また3つめの責任に関しても、委託する民に対して「契約」を担保にしておけばよいのです。
もしこの契約に違反すれば著しい損失と責任を負わせるという「制度としての仕組み」を前もって義務付けておけば、民間事業者だから信頼出来ないという問題も解消出来ます。
効率的行政を目指すためにも市場メカニズムを利用すべきです。
確かに市場メカニズムは万能ではなくいわゆる「市場の失敗」も発生させます。しかし市場メカニズムが上手く機能するよう制度設計することが公の役割です。
つまり公と民の役割を線引きすることが公の仕事ではないでしょうか。
四條畷の財政を考えますと出来るものは早急に手をつけておく必要があります。しかも人員に関係するものについては大量引退が始まる今だからこそ出来るものです。
このまま放っておいて夕張市の様な財政再建団体として国の指導をうけ、市民にある日突然負担の急増を求めるのか、それともいわゆる夜警国家、「小さな政府、小さな自治体」へと早めに転換しておくことで市民の負担を最小限に抑えるのか、この選択が必ず迫られると思います。
学校給食センターの設立は国や府からの補助金を一切受けておらず全て地方債の発行で建設されております。
当時この学校給食センターの建設をめぐって起きた事件に関しても、21億もの巨額の費用を投じてこの学校給食センターを建設したことに関しても「市民のため」という視点が完全に欠落しております。
ただ今から6年前のことを後悔しても市の発展はありません。
そして確かに21億円という大きな債務ではありますが、同時にバランスシート上では21億円という資産があることもまた事実です。
ですからこの学校給食センターというハードを如何に効率良く、かつ市民の負担を最小限にしながら運営していくのかということが大きな課題といえます。
先程の質問とも重複しますが、このハードを今後如何に効率良く運営していくのかという市のお考えをお尋ねします。
質問は以上で終わらせて頂きます。
明快な答弁をよろしくお願い致します。